3.風雲児たち〜蘭学革命(れぼりゅうし)篇~(NHK)
今年の一番楽しみにしていたのはこれでした。コミックトムに1980年から連載された、みなもと太郎氏の漫画「風雲児たち」をドラマ化した作品です。(まさか今もコミック乱に連載されているとは、Wikipediaを見るまで知りませんでした)そのころコミックトムには横山光輝氏の「三国志」、手塚治虫氏の「ブッダ」も連載されていて、それ目当てで読んでいたらいつの間にかファンになっていました。今回のドラマは、杉田玄白らの「解体新書」編纂の話です。内容はほ原作に忠実、原作と比べてギャグや平賀源内のエピソードが少なめ、という感じでしょうか。やはり実写ドラマだけあって、細かい表情がある分やや重めの印象です。まさかこのドラマでウルッとくるとは思わなかった。
この時代の話のドラマというとかなり古くなりますが、NHKドラマ「天下御免!」を思い出します。平賀源内の話で、かなりぶっ飛んだ設定で滅茶苦茶面白かったです。あまりぶっ飛び過ぎて、子孫の方々からクレームがついたのかな?後半はちょっと慌しかった記憶があります。腑分けの話になるとニコニコ嬉しそうに解剖器具をガチャガチャ拡げる、杉田玄白役の坂本九さんが印象に残っています。
今回面白かったのは、漫画とドラマの「風雲児たち」と「天下御免!」での平賀源内の描き方の微妙な違いですね。「天下御免!」での山口崇さん演じる天真爛漫、のほほん雰囲気の平賀源内、ドラマ「風雲児たち」での山本耕史さん演じるチョイ悪、策士風の平賀源内、漫画「風雲児たち」の粋な遊び人風の平賀源内、どれがホントの姿なんだろう。
「天下御免!」と言えば、日本史で習う前に田沼意次という人物をこのドラマで知りました。田沼意次登場の最後では、自宅に町人達から大量の石が投げ込まれるシーンを強烈に覚えています。真面目に日本の事を考えているのに、なんでこんな仕打ちを受けるのだろう、とその時は理解できませんでしたが、日本史的には悪名として残っているんですね。このドラマの影響で、田沼意次という人物は本当の悪人とは今でも思っていません。
なんか「天下御免!」の話が長くなりましたが、実はこのドラマの脚本家の早坂暁さんが去年の12月16日に亡くなっているんです。追悼の意味も込めて書きました。次でも書くけど、この年末、年始、昔を思い出す事ばかり起こります。
(続く)